≪ 大会宣言 ≫

 私たち国労東日本本部は、本日、第26回定期大会を盛岡市で開催し、一年間の闘いの総括と組織の強化・拡大を最重要課題と位置づけ、労働条件改善をはじめとした諸問題の改善に向け闘いの方針と取り組みの意思統一を図ってきた。
 東京電力福島第一原発事故による放射能汚染は今なお収束に至っておらず、復旧・復興の大きな障害となっている。それにもかかわらず野田政権は、悲痛な叫び声を「大きな音」と表し、大飯原発の再稼動を決定したばかりか原発輸出を推し進めようとしている。また、「社会保障と税の一体改革」の名の下に自民・公明の協力で消費税10%引き上げ法案を成立させるとともに、米軍への新型輸送機「オスプレイ」の実戦配備など多くの国民の声を無視した政策を強行してきている。
 JR東日本会社は、広範囲への放射能飛散の事態に対し「国や自治体が定めた数値や基準を見守っていく」という対応に終始し、線量測定も除染も行う考えは無く、社員・利用者の不安に応えようとしていない。
 3.11東日本大震災による鉄道の復興は遅々として進んでいない。JR東日本は、気仙沼線や大船渡線など被災路線の復旧責任を表明したものの、当面BRTで運行を行う事を決めている。線路の復旧は、被災自治体の復興にとって欠かすことは出来ない。鉄道による復旧を求める地元の声に依拠し、労働組合として取り組みを進めていくことが求められている。
 JR東日本は、「新たな人事賃金制度」により、個人管理の徹底を図ってきている。また、「グループ会社と一体となった業務体制の更なる推進」「駅業務委託の更なる推進」などを提案し、業務委託・外注化を拡大し労働条件を引き下げようとしている。さらに、契約社員(GS)の「雇い止め」も行われ、雇用不安と格差の拡大に拍車をかけるものとなっている。
 JR貨物では、内部留保を活用すれば十分に支払能力があるにもかかわらず、東日本大震災や低迷する経済状況を理由とした13年連続の「ベアゼロ」、一時金の超低額回答など社員の努力をないがしろにする対応に終始している。
 エルダー社員、嘱託社員の状況は、雇用継続のあり方や過酷な労働条件の実態が報告され、2013年問題とあわせ、取り組みの強化が求められている。
 私たち国労東日本本部は、四半世紀に亘り国家的不当労働行為として闘ってきたJR不採用問題と職場の労働条件改善の問題を車の両輪として怯むことなく闘い、終結へと導いた。その闘い、教訓を生かし、職場の労働条件改善と最重要課題である国労組織の強化・拡大を組織全体で取り組んで行かなければならない。
新規採用者獲得にむけた闘いは、一括和解以降、各地方、支部、分会の先進的な取り組みにより、会社をして新入社員に、「加入、未加入の自由」を説明するなど変化させ、今年は未加入者が増大し、国労加入を呼びかける取り組みが続いている。4月には一括和解以降100名の拡大が実現し、それ以降も毎月のように幅広い年齢層から復帰・加入が相次いでいる。
 加入した仲間は、昇進試験にも合格し、車掌への希望も実現するなど国労へ加入することにより自ら国労差別を払拭し、更なる拡大に奮闘している。
 一方で他労組は、「ローカルルールの是正」などにより会社と対立が深まっており、これまでの労務政策に変化が出てきている。しかし、新たな人事賃金制度に見られるように「個人管理」の徹底が図られてきていることからも、労働組合の必要性をきちんと捉え、取り組みを進めていかなければならない。
 私たちは本大会において、有利な局面を生かし、更なる拡大をめざし、組織の総力を挙げて取り組むこと、また、あらゆる施策を検証する中で、職場の中心に座り、労働協約締結にむけた議論等を通じて国労運動の継承・発展にむけ奮闘していく事を確認した。
誰もが安心して働き、暮らすことが出来る社会を実現するために、労働条件の改善はもとより契約社員の正社員化、エルダー・嘱託社員の処遇改善、「反原発」「消費税増税反対」など平和と民主主義を護る闘いを前進させるために国労東日本本部に結集する全組合員は全力で闘い抜く!

以上、宣言する。

2012年9月8日
国鉄労働組合東日本本部第26回定期大会