≪ 委員会宣言 ≫

 私たちは本日、仙台市において第30回拡大委員会を開催し、2013年春闘勝利、「安全・安定輸送の確立」、安心して働き続けられる雇用・労働条件を求める闘いなど、全ての諸闘争を国労の最重要課題である組織強化拡大の取り組みへと集約し、闘いを進めていく当面する闘争方針を確立した。
 とりわけ2013年春闘は、「格差と貧困」が拡大し、消費税の増税や生活保護費の切り下げなどさらなる負担が強いられようとする状況のなか迎えている。経団連は21日に発表した今春闘の指針「経営労働政策委員会報告」で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を「実施する余地はない」と一蹴。賃金が上がる定期昇給の延期や凍結の可能性にも言及するなど、「デフレからの早期脱却のためには賃上げが必要」と叫ばれる中でも、厳しい姿勢は崩していない。
 また、昨年末の総選挙により発足した安倍政権は、時計の針を逆に戻すかの如く「人からコンクリート」への反動的政策を推進するとともに、憲法改正も視野に危険な「道」へと突き進んでいる。
 3月11日で発生から丸2年が経過する東日本大震災からの復旧・復興は遅々として進んでいない。さらに、震災によって誘発された東京電力福島第一原発事故による放射能被害は収まることなく、被災地域をはじめ多くの人々を苦しめている。
 除染をはじめとした出来うる対応策に全力をあげるとともに、住民本位の復旧・復興のスピードをあげることが政府に強く求められている。
 JR東日本は、昨年の10月、東日本大震災を教訓に新たなスタートと位置付け、通算5回目となる「グループ経営構想V〜限りなき前進〜」を発表、グループ全体の収益の40%を輸送業以外に求める事を明らかにし、委託・外注化や分社化・子会社化を推し進めようとしている。
 JR貨物は、中期事業計画「飛躍」の最終年となり、鉄道事業部門の5,000人体制をめざすとし、運転士基地や検修基地の集約など経費削減を基軸に一段と効率化を推し進めようとしている。
 国労は、先の中央委員会で5,000円の賃上げと定期昇給を求め闘いを進めていく事を確認した。また、脱原発・反原発、平和憲法維持、民主主義擁護、年金・医療等の社会保障制度の引き下げを許さない取り組みと、2013年春闘を結合させて取り組むことも意思統一してきた。
 これらの闘いを通して点から線、そして面へと動き始めた組織の拡大を更に加速させるものとしなければならない。
 組織の拡大は、定期大会以降20代30代の仲間を中心に○○名を数え、新規採用者を柱に取り組んできた成果が表れてきている。その取り組みや分会の運動に共感し、最後は国労でという仲間も復帰を決意している。
 JR東日本は、一括和解以降「組合加入の自由と加入による差別はしない」事を明らかにしてきた。JR貨物は、「トレーナーの介入をさせず、現場配属まで未加入」という状況に変化してきている。
 これらの状況を創り出したのは私たち自身であり、差別是正の闘いで培った力を武器とし、全国大会まで1,000人の拡大の目標を達成するために全組合員が奮闘しなければならない。
 安心して働き、暮らすことが出来る社会を実現するために、労働条件の改善はもとより契約社員の正社員化、エルダー・委託社員をはじめとしたJRに働く全ての仲間の環境・待遇・労働条件の改善と、2013年春闘をしっかりと結合させると共に、労働協約改訂にむけた運動や学習と交流を強化し、東日本本部に結集する全機関は全力で奮闘しよう!

以上、宣言する。

2013年2月8日
国鉄労働組合東日本本部第30回拡大委員会